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受験生の戦いの日々


by kirio-330

足による投票

去年、財政学という科目を取っていて、何気にこれがためになった。

足による投票。

これはティボーという人の考えた論理で、「公共選択論」とかいう学問の一類型であって、なかなかいけてる論理なのである。

簡単にいうと、特に地方自治の面なのだが、人は移動する、移動する先はその人が必要とするものがある、つまりその人が行きたい自治体にはその人が賛成するものがある、それが「投票」である、

というような感じ。興味がある人は「足による投票」で検索してください。

例を挙げると、例えばある自治体に住むとプールがただで使い放題だとする。そうすると毎日泳ぎたい人はそこに引っ越す、それは賛意であり一種の投票である、とかいうことだ。

授業でも取り上げられたが、この論理への批判として、「そう簡単に引っ越せない」というのがある。至極妥当な批判だ。

ただ、この「足による投票」という概念による施策は多いのではないだろうか。

現在ピックアップ中のヤフーのニュース。給食費無料のお話。

子育て支援策の一つとして、三笠市が4月から始めた小学生の給食費全面無料化から、5月で1カ月が過ぎた。無料化は山口県和木町に続いて全国2番目で、道内初。「経済的な負担が減り、その分を子供の教育費として有効に使いたい」と父母からは好評。昨年の国勢調査で人口減少率が全国3位となった同市は「給食費無料化で、子育て世代の呼び込みや定住につなげたい」と鼻息は荒い。(毎日新聞より)

つまり、給食費がタダなので、たくさん移住者があるといいな、という考え方であって、こういうのは足による投票の典型例ではないだろうか。

他にも財政学ではためになる事柄が多かった。教授もその道では大御所っぽいし、もっと真面目に聞けば良かった。
by kirio-330 | 2006-05-04 16:45 | 学究